今回は、
「化学メーカーの文系営業職はいったいどんな仕事をしているのか?」
について、お話しします。
リクナビなどの仕事紹介を見ても、
9:00 メールチェック
10:00 会議
11:00 会議資料作成
12:00 ランチ
14:00 顧客とのミーティング
16:00 社内にて事務作業
19:00 帰宅
などと紹介されていますが、
「いや、全然わかんねえよw」
と思いませんか?
なので、今回は、
「化学メーカーの文系営業職はいったいどんな仕事をしているのか?」
をできるだけ詳しくお話しします。
目次
1.化学メーカーの文系営業職の仕事内容
化学メーカーの文系営業職の仕事は、大きく分けて
- お客への訪問(アポイント)
- 工場との納期調整
- 資料作成
の3つです。
1.1.お客への訪問(アポイント)
化学メーカー文系営業職の仕事の1番目は、
「お客への訪問(アポイント)」
です。営業職ですから、一番大事な仕事は当然営業活動になります。
「誰と面談をするの?」
という話になりますが、基本的に化学メーカーの営業職が面談をするのは、
- 顧客企業の研究員
- 顧客企業の購買
- 代理店(商社)の人間
のどれかです。
また、
「一日にどれぐらい訪問するの?」
ということになりますが、化学メーカーの営業職の訪問件数は多くありません。
「一日に1〜2件」
がふつうです。他の業界の人が聞いたら、
「ラクすぎだろw」
と怒りそうですね。笑 ただ、化学メーカーの営業職の場合は、営業活動以外の仕事がかなり多いので、
「一日に1〜2件」
でもかなりキツキツなのです…。苦笑
一回の訪問の面談時間はだいたい1時間〜1時間半となる場合が多いです。お客さんによっては、
「面談時間は30分」
と決まっているところもありますが、普通は1時間ぐらい面談しています。
1.2.工場との納期調整
化学メーカー文系営業職の仕事の2番目は、
「工場との生産・納期の調整」
です。
これは意外と見落としがちなのですが、実は営業職の重要な仕事のうちの一つに、
「納期の調整」
というのがあります。
製品寿命というのがありますので、工場としてはたくさんの製品を長く在庫していると、
「廃棄」
という形になってしまいます。
廃棄すると生産にかかった人件費や材料費などがまるまる損になるだけでなく、産業廃棄物としての廃棄費用もかかります。
工場では基本的に余分な在庫を持っていないので、営業が工場と協力して、
「工場との生産・納期の調整」
をやらなければいけないのです。
具体的に何をやるのかというと、月に一度の工場との会議で、
「どの製品をどれぐらい作るか?」
「納期の厳しいお客さん向けの製品を先に作るか?」
「来月はどの製品がどれぐらい出荷になりそうか?」
などを話し合って、調整していきます。
1.3.資料作成
化学メーカー文系営業職の仕事の3番目は、
「資料作成」
です。
(これが一番嫌な仕事です。苦笑)
どんな資料を作成するかというと、大きく分けて、
- 会議資料
- 上司への稟議書
- 面談の報告書
の2つです。
1つ目の「会議資料」というのは、文字通り会議に使う資料で、
「予算(目標)に対して、今どれぐらい注文が来ているか?」
「予算予算(目標)に届いていない原因は何か?」
ということを報告するための資料です。
2つ目の「上司への稟議書」というのは、上司の許可をもらうための資料で、
「この製品を購入転売しても良いか?」
「この製品の値下げを行っても良いか?」
「『輸出のために製品の成分を開示する』という秘密保持契約書を結んでも良いか?」
ということを認めてもらうための資料です。
そして、この作業が一番大変なのですが、なぜ大変かというと、
「部長の性格によって、作らなければいけない資料の多さが変わるから」
です。
部長が細かい人であったり、ネチネチしたタイプの人の場合、
「この製品を購入転売しても良いか?」
「この製品の値下げを行っても良いか?」
「『輸出のために製品の成分を開示する』という秘密保持契約書を結んでも良いか?」
という報告書に対して、いちいち、
「こんな理由じゃダメだ」
「こんな稟議書じゃダメだ」
「今までの販売数量と販売実績をすべてグラフにして提出しろ」
とケチをつけてきます。
そのケチに対して、課長以下、営業部の社員はその資料を作成しなければいけません。個人的にはこの作業が一番イヤでしたね。苦笑
3つ目の「面談の報告書」というのは、アポイントの内容を上司に報告するための報告書です。面談の報告書には何を書くのかというと、大きく分けて、
- 何のために面談に行ったのか?
- 面談ではどんな内容の話をしたのか?
- 今後はどのような対応を取って行くのか?
の3つです。
「何のために面談に行ったのか?」は、何を書くのかというと、
- 顧客企業の研究員が現在取り組んでいるテーマの聴取
- すでに送った製品サンプルの使用の感想の聴取
- 値下げ依頼に対する回答
といった、面談の目的を書きます。
「面談ではどんな内容の話をしたのか?」は何を書くのかというと、
- 〜氏によると、現在のテーマは「〜〜」であるとのこと
- ・現在進捗テーマが製品化すれば、〜〜の数量が見込めるとのこと。
といった、面談で聞いた情報を細かく書いていきます。
ここで、細かく書いておかないと、後で上司に、
「何でこんなに情報が少ないんだ!」
とキレられます。笑
「今後はどのような対応を取って行くのか?」は何を書くのかというと、
- 販売数量が見込めるため、今後もフォローを継続する
- 次回訪問時は研究同行でサンプル依頼を行っていきたい
といった、今後の対応を書いていきます。営業マンは基本的にネガティブなことを報告できないので、
「こうしたら売れる可能性がある」
という内容を書いていきます。
2.入社する前と入社した後のギャップ
ここでは、
「私が感じた入社前と入社後に感じたギャップ」
について書いていきます。
2.1.営業活動以外の仕事が多すぎる
まず、私が感じたギャップで一番大きかったことは、
「営業活動以外の仕事が多すぎる」
ということです。
上の仕事内容を見てもらえれば、分かりますが、
- お客への訪問(アポイント)
- 工場との納期調整
- 資料作成
と、3分の2は直接の営業とはまったく関係のない仕事ばかりです。しかも、納期調整と資料作成は、
「できて当たり前」
という仕事に分けられるので、この仕事を一生懸命やったところで、営業マンとして評価される仕事ではありません。さっさと終わらせなければいけない仕事です。
ただ、さっさと終わらせなければいけない仕事なのですが、これが全然終わらないのです。苦笑
納期調整に関しては、工場から、
「もういっぱいいっぱいで今月は作れないよ!」
と言われ、調整が全く進みません。笑
そして、資料作成に関しては、部長から、
「こんな理由じゃダメだ」
「こんな稟議書じゃダメだ」
「今までの販売数量と販売実績をすべてグラフにして提出しろ」
と訳の分からないケチをつけられ、一向に営業活動に出ることができません。
「営業ができれば評価される」
は正しいのですが、実際の業務においては、
「営業活動に出るために、社内調整が上手くないとやっていけない」
というのが実態です。
2.2.部長の人柄で仕事の大変さが変わる
まず、私が感じたギャップで2番目に大きかったことは、
「部長の人柄で仕事の大変さが変わる」
ということです。
転職会議やVorkersなどを見ていると、
「どの会社もそうだと思いますが、部署ごとに色が全然違います」
という口コミが多いと思いますが、その理由は
「部長がどんな人間であるかによって、その下の社員の大変さはまるで変わってくるから」
です。
部長が細かい人であったり、ネチネチしたタイプの人の場合、
「こんな理由じゃダメだ」
「こんな稟議書じゃダメだ」
「今までの販売数量と販売実績をすべてグラフにして提出しろ」
と、部下の仕事はどんどん増えていきます。もうえげつないほど増えていきます。苦笑
しかも、その増えた仕事というのは、たいてい営業活動とは直接関係のない「資料作成」である場合がほとんどなので、ひたすら残業が増えていきます。
ここで重要なのが、そういう厳しい部長は誰によって選ばれるのかというと、
「役員」
が選びます。役員に気に入られた人間が部長となるのです。
なので、あなたも就職先を決めるときは、よほどのことがない限りは、オーナー企業は避けるべきです。オーナー企業というのは、たとえ上場企業であっても、オーナーの一族で役員が占められています。
3.入社してから一人で営業に出るまで
ここでは、
「入社してから一人で営業に出るまで」
についてお話しします。
3.1.入社したらまず何をやるのか?
まず入社して一番最初にやるのは、
「基礎研修」
です。(4月いっぱい)
- 名刺交換のやり方
- ビジネスメールの書き方
- ビジネスにおいてNGな髪型やメイク
- お客様とエレベーターに乗ったときに「どの位置に立たなければいけないか」
- 接待のときに「どの順番で座るか」
といった基本的なマナー研修です。この辺は半分遊びみたいな感じで、学校の延長と言っても良いでしょう。
3.2.配属されたらまず何をやるのか?
そして、ゴールデンウィークがあけると、営業部へと配属されます。配属されて最初は何をやるかというと、
「先輩社員の同行」
です。
先輩社員が取ったアポイントに同行して、先輩社員がお客さんと、
- 製品の説明
- お客の会社の研究員が現在取り組んでいるテーマ
を話しているのを、横でじっと聞くのです。(そして、これがめっちゃ眠い。笑)
そして、そのアポイントの内容を
- 日報
- 週報
といった形で、報告書にしていきます。そして、それを先輩社員に添削してもらい、上司に提出するという流れです。
そうやって先輩社員との同行を続け、製品知識などをしっかり勉強していき、夏頃から一人で営業に回るようになります。
でくのぼう
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