目次
1.「人事は面接で学生をどのように見きわめているのか」を知る
ベトナム戦争でアメリカ軍が、圧倒的な劣勢であった北ベトナム軍にボコボコにされたのは、
「情報戦で負けていたから」
です。北ベトナム軍の優れたスパイ活動により、アメリカ軍の攻撃の予定はすべて筒抜けになっていたと言われていますね。
就活も全く同じです。どんなに勢力が劣っていても、情報戦で勝つことができれば、就活は勝てます。
「就活も情報戦である」
ということに気づいてください。
では、敵の情報を知るにはどうすればいいかというと、
「人事部採用担当者向けに書かれた本」
でリサーチすることをオススメいたします。基本的に、就活で役に立つのは、就活就活本より人事部採用担当者向けに書かれた本です。
人事部採用担当者向けに書かれた本には、こんなに役立つことがたくさん書かれていますよ。
受験者には、能力を語らせるのではなく、行動を語らせることです。人の個性というものは、原因ではなく結果です。p.123
そもそも、「いっていること」と「行なっていること」が違う人は少なくありません。思いを聞くのではなく、行動を聞く。さらには、行動のレベルを聞く。p.124
面接で質問すべきは「行動」と合わせて、その行動に伴う「感情」であり、「受け止め方」です。極端な話、「行動」や「思い」は偽ることができます。しかし「感情」や「受け止め方」を偽ることは、プロの詐欺師でもない限り困難です。p.143
松下直子(2016)『採用・面接で「採ってはいけない人」の見きわめ方』(同文舘出版)
こうやって敵の作戦を洗い出していき、自己PRを考える準備を進めていくわけです。
2.人事の質問を想定した自己PRのエピソードの作り方
人事の質問を想定して自己PRのエピソードを作るためにあなたが何をすればいいかというと、順番はこうです。
- どんなに平凡でも良いので、自分の長所となる点を表すエピソードを思いつく限り紙に書き出してみる
- 集めたエピソードに共通するあなたの長所を決める
- ESに書くエピソードに関しては人事のツッコミを想定して、細部まで答えられるように準備する
2.1.どんなに平凡でも良いので、自分の長所となる点を表すエピソードを思いつく限り紙に書き出してみる
どれぐらい平凡なことでも良いかというと、
- 毎朝の自主練で、レギュラーの座を獲得(部員9名のテニス部の経験)
- 売上3倍UPに貢献したポップ制作(アルバイトでポップを書いたら売上が3個から9個になった)
- 留学生支援ボランティアでアジア10カ国情報網構築(2週間だけのボランティア経験)
- 議員に対してプレゼンをした(3日間だけの議員インターンシップ経験)
- 事務、接客、営業の3職種に挑戦。スキル集を作成。(アルバイトを転々とした経験)
というぐらい平凡なエピソードで問題ありません。
詳しくは、坂本直文(2011)『何をPRしたらいいかわからない人の 受かる!自己PR作成術』日本実業出版社を読んでみてください。
(あなたが今、自己PRのネタ探しで困っているなら、この本はめちゃくちゃ良い本です。私が就活生のときに出会いたかったw)
2.2.集めたエピソードに共通するあなたの長所を決める
次に、
集めたエピソードに共通するあなたの長所
を決めましょう。例えば、
- 当事者意識を持ち課題解決に取り組む力
- 改善点を見つける管理能力
- 地道に努力する力
- まずは取り組んでみる素直さ
という感じです。
2.3.ESに書くエピソードに関しては人事のツッコミを想定して、細部まで答えられるように準備する
エピソードは平凡でいいのですが、人事のツッコミを想定して、細部まで答えられるように準備してください。
人事はどういうことを聞いてくるかというと、例えばあなたがサークルの経験を自己PRでしゃべった場合、下記のようなことを聞かれます。
面接では、会話は横に持っていかない、縦に持っていくのが鉄則です。
(中略)
どんな質問項目でもかまわないので、エントリーシートの質問項目すべてを確認するのではなく、何かひとつの項目に対して徹底的に具体的に訊いていくようにしてください。
- そのサークルに入ったきっかけは何か
- サークルにはどれぐらいの頻度で参加していたのか
- そのサークル集団の活動の目的や目標は何だったのか
- サークルであなたが最も学んだことは何か
- サークル活動に点数をつけるとしたら、何点か。それはなぜか
- 活動におけるあなたの立場役割はあったのか
- サークルの人間関係はどうだったのか
- サークルの他メンバーから、あなたはどのように見られていたか
- サークル活動でメンバーと意見が食い違うようなことはなかったか
- あったとしたら、そのとき、どのように問題解決を図ったか
- サークルの後輩を育成するような機会はあったか
- サークル活動における、これはという経験談はあるか
- サークル活動において主体的に行ったことはあるか
- 何かあなたの成果といえるものがあるか
- もう一度サークル活動をやり直すことができたとしたら何をやりたいか。何か反省点はあるか
- 何か困難な出来事はなかったか
- そのとき、どう対処したのか。どうしてそうしたのか。
…といった具合です。
応募者自身の言葉で、「より多く」「より深く」語らせるのです。そのサークル活動におけるその方の行動や考え方、受け止め方を通じて、徹底的にその人間を探るのです。
(中略)
私たちが面接で確認したいのは、その応募者の人となり、だからです。
松下直子(2016)『採用・面接で「採ってはいけない人」の見きわめ方』(同文舘出版)pp.136-137
このように、面接官はあなたのエピソードを根掘り葉掘り聞くことで
あなたの人となりを見ようとしている
のです。決して実績や結果を判断しているわけではないので、実績が何もないことに絶望してないでください。相手の作戦が分かっていれば、自己PRの対策は必ず立てられます。
でくのぼう
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