「志望動機は何ですか?」
と聞かれても、ぶっちゃけ、
「志望動機なんてあるわけないじゃん…」
「生きるためが第一の動機で、それ以外にないよ…」
という気持ちではないですか?
私も同じように思っていたので、気持ちはよく分かります。笑
ですが、安心してください。
志望動機は「作るもの」です。
みんな立派な志望動機があるわけではありません。
それなりに創作しています。苦笑
これからお話するステップを順番にクリアしていけば、きちんとした志望動機が作れますので、ご安心ください。
目次
志望動機を書くための5ステップ
就職対策セミナー講師の才木弓加氏は、
「誰でも説得力のある志望動機が書ける5つのプロセス」
として、
- なぜその業界に興味を持ったのか
- なぜ同じ業界の他業種ではなく、その業種なのか
- なぜ数ある同業他社ではなく、この企業なのか
- この企業で何をやりたいのか
- そのやりたいことに対して、自分の強み・良さをどう生かせるか
才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビ p.86
をあげていますが、これはかなり有効なアイデアなので、ぜひ活用しましょう。
この5つの質問に一つ一つ考えていけば、志望動機は自然と完成します。
1.なぜその業界に興味を持ったのか?
まずあなたが考えるべきは、
「なぜその業界に興味を持ったのか?」
です。
あなたは今受けたい企業があるはずです。
その企業が属する業界を選んだ理由は何でしょうか?
「その業界を選んだ理由って言われたって『平均年収が高いから』ぐらいしか思いつかない…」
という場合は、その逆を考えてみてください。
「他の業界を選ばなかった理由」
を考えてみてください。
例えば、あなたが広告業界を選んだとします。
では、なぜ鉄鋼業界は選ばなかったのですか?
なぜ介護業界は選ばなかったのですか?
そうやって考えてみると、
「目立ちたいと思った」
など、何かしら理由が出てくるはずです。
もちろん、そのままでは志望動機には使えませんが、モノは言いようです。笑
「多くの人に影響を与えらえる仕事ができると思った」
というように、言い方を変えればESでも十分使用できます。
私の例で言うと、化学メーカーを受けたときは、化学業界に興味を持った理由として、
- 父がメーカーの営業職をしており、メーカーの仕事の話を聞いているうちに、モノづくりに対して興味を持った。(製造業に興味を持った理由)
- 化学業界は一般消費者にはなじみの薄い業界かもしれないが、日本の製造業の中心であり、そこに携わることができるのは面白いと思った。
- 化学業界は海外の比率が高く、国内だけでなく世界とも仕事をできる点が魅力的だと思った。
ということをあげていました。
ちなみに、才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビ では、
「なぜその業界に興味を持ったのか?」
について、こんな具体例が紹介されています。
- 塾講師のアルバイトで、生徒やその親から感謝される喜びを知った。また、仕事をするうえで、何よりも大切なのは相手との信頼関係だとアルバイトを通して感じた。将来も信頼関係を構築し、人の役に立つ仕事がしたいと思っている。
- 塾講師のアルバイトでは、自分が勉強していないと教えることができなかった。常に勉強して自分のスキルがアップするのが楽しいと感じる。銀行に内定した先輩から、「内定直後から資格取得の勉強がある」と聞き、逆にそれが魅力となった。
- いろんな考え方を持った人と共同作業をするのが好き。特に学園祭実行委員をやりながら、それを感じていた。だから、さまざまな分野とかかわりができ、自分の力が多方面で活用される可能性のある金融は面白いと思う。
才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビp.88
上の具体例では、学生時代に打ち込んだことと関連させて、自己PRと統一感を出していますが、ガクチカと関連させるかどうかは、あなたの好みで良いと思います。
2.なぜ同じ業界の他業種ではなく、その業種なのか?
2つ目にあなたが考えるべきは、
「なぜ同じ業界の他業種ではなく、その業種なのか?」
です。
要するに、
- 金融業界の中でも、なぜ「銀行」なのか?
- 流通業界の中でも、なぜ「デパート」なのか?
- 化学業界の中でも、なぜ「総合化学メーカー」なのか?
という質問に答えられるようにしておく、ということです。
ここは、面接官のおじさんは必ず聞いてくるポイントです。
エントリーシートに書く、書かないは別として、
「なぜ同じ業界の他業種ではなく、その業種なのか?」
に対する答えは必ず用意しておいてください。
この答えを用意するコツは、
「他の業種との違いを調べること」
です。
例えば、あなたが専門商社を志望しているとしましょう。
- 総合商社と専門商社は仕事内容がどう違うのか?
- なぜメーカーは総合商社ではなく、専門商社を通して、注文を受けるのか?
- 規模でいえば総合商社に勝てるはずがないのに、なぜ専門商社が生き残るのか?
といったことを調べていけば良いのです。
私なりの答えを書くと、
- 総合商社は投資会社的な意味合いが強いが、専門商社は単純な卸売の意味合いが強い。
- メーカーが総合商社を通さずに専門商社と通すのは、専門商社は過去の取引実績が長く、信頼関係が出来上がっているため。総合商社はある程度の取引量がないと相手にしないが、専門商社は小口取引も行うため、小回りが利いてメーカーが仕事をしやすい。
- 規模でいえば総合商社には勝てるはずがないが、専門商社は業界に特化しているため、営業マンの知識が豊富。知識が豊富なため、製品トラブルがあった際も、メーカーとスムーズに連携が取れる。
といった理由があります。
こうやって、
「他の業種との違い」
を調べていけば、
「なぜ同じ業界の他業種ではなく、その業種なのか?」
という質問には答えられます。また、仮にその答えが間違っていても問題ありません。大事なのは、
「学生である自分はこう考えたから、この業種を志望した」
という思考のプロセスを伝えることです。
あなたが思ったことが間違っていたからと言って、面接官のおじさんはあなたのことを責めたりしません。仮に、
「いや、それは違うんじゃない?」
と突っ込まれたとしても、
「申し訳ありません!勉強不足でした。」
とすぐに返すことができれば、あなたの印象は確実に良くなります。おじさんのツッコミに対して、素直さを見せることが、好かれるコツです。笑
面接はテストではありません。人間と人間の「営業の場」です。言っていることが間違っていたって、相手に好かれればそれでOKなのです。
なので、
「精一杯調べたけれど、間違っているかもしれない…」
と不安に思うことはありません。何なら、その考えをそのまま伝えても良いです。おじさんはそういう若者が大好きです。これはおじさんに好かれるための、営業のコツですね。笑
ちなみに、才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビ では、
「なぜ同じ業界の他業種ではなく、その業種なのか?」
について、こんな具体例が紹介されています。
- 銀行は預貯金や貸出だけが業務ではなく、投資信託や保険などさまざまな業務がある。また、金融業界以外にもさまざまな業種の人とかかわり合うことが必須の仕事だと知った。だから、さまざまな業種、いろんな立場の人をサポートできるところに魅力を感じた。
- 銀行の扱う商品は形のないものばかり。だからこそ、最終的には人間関係同士の信頼関係が大切になる。人と人の信頼関係は、自分が学生生活でも大切にしてきたもの。
才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビp.88
3.なぜ数ある同業他社ではなく、この企業なのか?
3つ目にあなたが考えるべきは、
「なぜ数ある同業他社ではなく、この企業なのか?」
です。
個人的にはこのステップが一番重要です。
なぜなら、面接官のおじさんが一番聞きたいのは、
「何で競合他社ではなく、ウチなの?」
という部分だからです。
エントリーシートでは、
「競合他社は〜ですが、貴社は〜」
ということは書けないので、面接で話す内容になります。
だからこそ、面接中に、
「何で競合他社ではなく、ウチなの?」
という質問にしっかり答えられるように準備しておきましょう。本当に、ここが一番重要ですよ。
準備の仕方は、前回と同じく、
「競合他社との違いを調べること」
です。
同じ製品を扱っていたとしても、
- 海外売上比率が高いかどうか
- 海外に進出しているかどうか
- 研究にお金をかけているかどうか
- 新しい取り組みを積極的に行なっているかどうか
- 顧客からの評価はどうか
など、きちんと調べれば、違いというのは必ず見つけられます。
私の例で言うと、化学メーカーを受けたときは、
- 御社は競合に比べて、積極的に海外進出に取り組んでおり、現状に満足することなく、積極的にチャレンジする社風に魅力を感じた
- 御社は競合に比べて、研究開発比比率が高く、新しい取り組みを行う姿勢に魅力を感じた
- 御社は競合と違い、さまざまな業界にまたがってビジネスをしており、多くの業界と接することができる点に魅力を感じた
ということをあげていました。
こういう違いを見つけたのも、企業のIR情報(投資家向け情報)を読み込んで見つけたものです。こういう点からも、企業研究の重要性がわかりますよね。
ちなみに、企業研究の方法に関しては、
企業研究が大事って言うけど、情報収集ってどうやったらいいの?
の記事でお話ししています、よろしければご参考にどうぞ。
「なぜ数ある同業他社ではなく、この企業なのか?」
に答える際は、その企業の良いところをなるべく具体的に話すと良いです。
なぜなら、
「面接官のおじさんは、自分の会社を褒められて悪い気はしないから」
です。
就活の面接では、二次面接や最終面接になると、だいたい
- 営業部長
- 人事部長
- 役員
といった、その会社の「お偉いさん」が面接官として座っています。こういったお偉いさんというのは、
「嫌なことがありながらも、会社のために長年身を粉にして働いてきた人たち」
です。
一言でいえば、会社に対して強い愛着がある人たちです。そういう人に向かって、
「その会社が競合他社と比べて、どこが魅力的か?」
を伝えることの効果はバツグンです。志望動機を聞く大きなの理由の一つは、
「本当にウチに入りたいの?」
です。本気で志望していることを証明するためにも、「競合他社にはない、その会社の魅力」は、しっかり見つけておいてください。
仮に間違っていても大丈夫です。大事なのは「自分でできる範囲で全力で企業研究をした」ということを見せることです。
ちなみに、才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビ では、
「なぜ数ある同業他社ではなく、この企業なのか?」
について、こんな具体例が紹介されています。
- A銀行はメガバンク。取引企業の一覧を見たら、非常に多岐にわたる業界との取引があった。さまざまな分野とかかわりたい自分には合っている。
- 新聞で、A銀行は今後リテールに力を注ぐという記事を読んだ。何よりも人間同士の信頼関係を大切にしてきた自分は、まず個人営業からスタートしてみたいと希望している。
才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビp.89
4.この企業で何をやりたいのか?
4つ目にあなたが考えるべきは、
「この企業で何をやりたいのか?」
です。
「何をやりたいのか?」
と言われても、困りますよね?笑
なので、
「この企業で自分が貢献できること」
というように質問を変換して考えましょう。
個人的には「何をやりたいのか?」という質問には、ストレートに答えない方が良いです。
なぜなら、
「正社員はどの職種に配属されるか分からないから」
です。
なので、
「この企業で何をやりたいのか?」
という質問に対しては、
「私がもし営業に配属されたら、このようにして御社に貢献したい」
という答え方が良いです。ここで、
「私はどうしても営業でないとイヤだ!営業でこういう仕事をするんだ!」
という感じでエントリーシートを書いたり、面接で答えたりすると、おそらく企業からは、
「使いづらそう」
というように思われます。なので「もし配属されたら」という前置きを置いて、自分が会社に貢献できることを書いた方が印象が良いです。
私の例で言うと、化学メーカーを受けたときは、
- 私がもし営業に配属されたら、人から信頼を得る強みを活かして、御社の新規販路の拡大に貢献したい。どの製品になるか分からないが、まずは営業の経験を積むために、汎用品の営業から勉強させて頂きたい。
というように答えました。
ちなみに、才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビ では、
「この企業で何をやりたいのか?」
について、こんな具体例が紹介されています。
- まずは多くの個人と信頼関係をつくりたいのでリテール業務に挑戦したい。
- 融資の提案や情報のやり取りを通じて、お客さまとともに自分自身も喜びを感じたい。
才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビp.89
5.そのやりたいことに対して、自分の強み・良さをどう生かせるか?
最後にあなたが考えるべきは、
「そのやりたいことに対して、自分の強み・良さをどう生かせるか?」
です。
この部分を考えるのはカンタンです。
あなたはエントリーシートの自己PRの欄ですでに、
「人が面倒と思うことをコツコツ地道に続ける力がある」
「人から信頼関係を勝ち取る力がある」
「周りの人と協力して何かをやり遂げる力がある」
という強みを書いているはずです。
そこで書いた強みをそのまま、
「〜〜という強みを活かして、貴社に貢献したい」
と書けば大丈夫です。
ちなみに、才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビ では、
「そのやりたいことに対して、自分の強み・良さをどう生かせるか?」
について、こんな具体例が紹介されています。
- 人との信頼関係をつくることを何よりも大切にし、信頼関係をつくるには何が大切なのかを理解していることが自分の強み。そして、「誰かの役に立ちたい」と真剣に思っていること。これらは、リテール業務でも、ベンチャー支援でも必要不可欠なことだと思う。
- スキルアップしている実感を得るのが大好きで、勉強の苦労を惜しまないのが自分の良さ。常に新しい情報を仕入れ、また法律や金融システムの勉強を積んでいなければ務まらない銀行の仕事なら、やりがいを感じながら取り組むことができると思う。
才木弓加(2016)『内定獲得のメソッド 面接 自己PR 志望動機』マイナビp.89
以上が、
「志望動機を書くための5ステップ」
です。
志望動機を一気にまとめようとすると、とても大変ですが、5つの質問を一つ一つ考えていけば、志望動機はすんなり作れると思います。
参考になれば幸いです。
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