「何であんなに遊んでたあいつが一流企業の内定を…」
「自分は真面目にコツコツやってきたのに、まだ内定を取れていない…」
と思っていませんか?
そう考えてしまうのも、しょうがないです。大学時代をいい加減に過ごしてきた人が、一流企業に内定することは、よくあることだからです。。
ということで、今回は、
「真面目でコツコツやってきたあなたが、就活で損をしないために考えるべきこと」
についてお話します。
結論から言うと、あなたが考えるべきことは、
- 「就活=評価される場所」という考えをやめる
- 就活で最も重要なことは「面接官のリサーチ」
という2点です。
1.「就活=評価される場所」という考えをやめる
あなたは就活をこのように考えていませんか?
「就活」=「大学時代にやってきたことを評価される場所」
と考えていませんか?
図星ですか?笑
「就活=大学時代にやってきたことを評価される場所」と考えているからこそ、
「何であんなに遊んでたあいつが一流企業の内定を…」
「自分は真面目にコツコツやってきたのに、まだ内定を取れていない…」
と思ってしまうわけですよね。
では、このように考えてみてはどうでしょうか?
「就活」=「生涯賃金2億円の労働力を営業する場所」
・・・・・。
かなり生々しくなりましたね。笑
でも、あながち間違っていないですよね?
サラリーマンの生涯賃金というのは、2億円です。そして、労働力というのは市場で取引されている「商品」です。
「人はモノなんかじゃない!」
「商品とは何事だ!」
という感情論をいったんワキに置いておいて冷静に考えると、就活というのは「生涯賃金2億円の労働力を営業している」と言えないでしょうか?
そうなのです。
就活というと、
- 大学生活
- 性格
- やる気
- 人格
などが評価される場所と考えてしまいがちですが、もともとは営業の場所なのです。
営業というのは、
「お客さんが考えたことがすべて」
です。
就活で言えば、
「面接官が考えたことがすべて」
です。
あなたがこれまで真面目でコツコツやってきたのだと思います。でも、大学時代に遊んできた人の方が、面接官にとって魅力的に映ったのなら、その人が内定してしまうのです。
ちょっと例え話をします。
AKB48はオリコンランキング1位を取っていますよね。
では、AKB48の音楽は日本で一番すばらしいですか?
・・・違いますよね。
マクドナルドは日本で一番ハンバーガーを売っていますよね。
では、ビッグマックは日本で一番美味しいですか?
・・・違いますよね。
そう、すべてはお客さんが考えたことなのです。
その品質が悪かったとしても、お客さんが「良い!」と思えば、それが一番良いのです。
本当はもっと良い音楽があったとしても、本当はもっと良いハンバーガーがあったとしても、お客さんが「良い!」と言えば、それが正解なのです。
就活に置きかえてみると、こうです。
本当はあなたの方が真面目でコツコツやる能力があって、仕事をきっちりやり遂げる能力があったとしても、面接官に伝わらなかったら、内定しないのです。
隣のちゃらんぽらんな人の方が優秀そうに映ってしまったら、その人に内定を出してしまうのです。
これって、ものすごく損していると思いませんか?
面接官に、あなたの真面目でコツコツやる能力がしっかり伝わっていないだけで、内定が取れなくなってしまうのです。隣のちゃらんぽらんに内定が出てしまうのです。
ものすごく、もったいないですよね。
就活コーチングを行なっている廣瀬康幸氏は、著書でこんなことを言っています。
就活でうまくいかなかった田中さんや田中さんの親しい友達と、就活でうまくいった人たちとの大きな違いは、「自分を売り込むスキル」が身についていたか否か、と「就活を楽しむこと」ができたか否かにあります。
廣瀬康幸(2015)『新卒採用基準 面接官はここを見ている』東洋経済新報 p.368
そう、ちゃらんぽらんな人は「自分を売り込むスキル」が高いのです。ただ、それだけなのです。
あなたが損している理由は、
「自分を売り込むスキルを勉強していないから」
ではないでしょうか?
2.就活で最も重要なことは「面接官のリサーチ」
では「自分を売り込むスキル」というのは、どうやって身につければ良いのでしょうか?
答えを先に言うと、
「相手のリサーチ」
です。
就活の場合で言えば「面接官のリサーチ」ということになりますね。
自分を売り込むスキルと聞くと、
「私はこういう良いところがあります!」
「私はこんなこともできます!」
というイメージがありますよね?
でも、実際は違うのです。
私はもともと法人営業をやっていましたが、実際の営業でそんなことをしたら、嫌われるだけです。もちろん、就活でも嫌われるだけです。苦笑
自分を売り込むときに最も重要なのは、
「自分をゴリ押しすることではなく『相手が何を考えているのか』を理解すること」
なのです。
小さい頃、親に言われましたよね。
「人の立場になって思いやりなさい!」
「相手が何を考えているかを考えなさい!」
と言われましたよね。笑
それを、就活でもやるのです。
「そんなの言われなくてもやってるよ」
「そんな当たり前のこと分かってるよ」
と思いますよね。笑
では、あなたは今までに「企業の採用担当者向けに書かれた、使える人材の見抜き方」が書かれた本を買いあさったことはありますか?
・・・・・。
おそらく、ないのでは?笑
そうなのです。
「人の立場になって思いやりを持つ」
という当たり前のことを具体的に実践するのはむずかしいのです。ほとんど誰もできていないのです。
だからこそ、あなたがきっちり実践すれば、
「ちゃらんぽらんな人が内定して、真面目なあなたがお祈りされる」
という、もったいないことがなくなるのです。
3.リサーチをするだけで、あなたの就活はこんなに変わる
さて、ここまで「面接官のリサーチ」の重要性についてお話ししてきました。
今、あなたは
「リサーチしたって、変わらないでしょ」
という感じかと思いますので、
「リサーチをするとあなたの就活はどうなるのか?」
についてお話しします。
あなたは就活のESを書くときに、こんなことを思っていませんか?
「自分は体育会でもないし、ビジネスコンテストで入賞したこともないし、部活で優勝したこともないし、書くネタがない」
「この前のグループ面接では、みんなすごい実績の人ばかりだったけど、自分にはすごい実績が一つもない」
どうでしょう?
一回ぐらい思ったことありますよね?
もちろん私が就活をしていたときも、同じ気持ちでした。なので、今のあなたの気持ちはよく分かります。
さて、ここで一回立ち止まって考えてみましょう。
企業の面接官はエピソードがすごいかどうかで、内定を決めているのでしょうか?
さあ、ここで「面接官のリサーチ」です。
リクルートで20年以上面接をしてきた経験のある海老原嗣生氏は、著書でこんなことを言っています。
とにかく肩書きや目を引くようなエピソードがないと、面接では勝ち残れないと考えている学生が多くて、大学での相談などでは「役職や肩書きが何もないから話せない」という悩みを学生からよく聞かされます。
正直、企業はこうした学生の「役職・肩書き」話にほとほと困っています。(中略)
同様に、面接では、すごいエピソードや感動的な話をしなければならないとかんがえている学生に対しても、同じことが言えるでしょう。
自転車で日本を南北横断したとか、ボランティアで老人ホームで芸をしたとか、そういう話。
もう一度質問10で話した、企業側が面接で見ているポイントに立ち返ってください。
- 自社の仕事がきちんとできるか
- 自社の仲間とうまくやれるか
その判断をするために、面接を行なっているのです。(中略)
あなたが面接でしなければならないのは、別に大げさな話でなくてよいから「自分はどんなタイプの人間なのか」をしっかりと表現することです。
そうすれば、あとは企業側が、「仕事がきとんとできるか」「仲間とうまくやれるか」を判断してくれます。(中略)
いいですか、もう、大きな話、偉い役職、感動するエピソードは、頭から取り去ってくださいね。
海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社 pp.76-78
こうやって、面接官が考えていることをしっかりリサーチすると、
「実はエピソード自体のすごさは気にしていない」
ということが分かりますよね?
また、リクルートキャリアの細井智彦氏は「応募者をより深く見抜くテクニック」として、
応募者の能力や本質を見抜くテクニックは大きく分けると2つあります。
まずひとつが、5W1Hを意識して質問すること。
過去の仕事や経験を「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Wht(なぜ)」「How(どのように)」で、分解してくのです。(中略)
もうひとつは「きっかけ」→「行動」→「結果」→「学んだこと」というPDCAを意識して聞くテクニックです。
プロセスに着目している面接官は少なくないと思いますが、それでも「行動」→「結果」だけで終わっている人がほとんどです。
「どんな仕事(行動)をして、どんな実績(結果)を残せたか」だけでは応募者の能力を判断するには不十分。とくに「きっかけ」は、応募者の自主性を知るための欠かせないキーワードなので、忘れずに確認してください。
細井智彦(2013)『「使える人材」を見抜く 採用面接 』高橋書店 pp.64-65
と言っています。
こうやって、人事部が考えていることをしっかりリサーチしてみると、
- 企業側は「自己PRのエピソードがすごいかどうか」では判断していない
- 企業側が面接で見ているポイントは「自社の仕事がきちんとできるか」「自社の仲間とうまくやれるか」の2つ
- 面接でやるべきは、大げさな話でなくてよいから「自分はどんなタイプの人間なのか」をしっかりと表現すること
- 面接官が応募者を見抜くテクニックは、「5W1Hを意識して質問すること」「PDCA、特にエピソードの『きっかけ』を意識して聞く」の2つ
ということが分かってきます。
こういうことが分かると、
「そうか!エピソードはすごくなくても良いのか!」
「そうか!エピソードの実績ではなく、きっかけが重視されるのか!」
となりますよね?
面接の準備がかなりやりやすくなりますよね?
「そうは言っても、自分には話すエピソードが一つもないから…」
坂本直文(2011)『何をPRしたらいいかわからない人の 受かる!自己PR作成術』日本実業出版社 という本を手に取ってみてください。
18年以上に渡り、全国の大学で就職指導を行ってきた著者が、実際に内定を取った自己PRの例をたくさん紹介しているのですが、本当にしょうもないエピソードが並んでいます。笑
- 少人数の小さなテニスサークルの活動
- 3日間しかやっていないボランティア
- 中学まででやめた水泳
- 補欠選手だった卓球部の活動
- 一度も入賞したことがない吹奏楽部のコンクール
- 最近始めたばかりの新聞のスクラップブック
- バイトでミスばかりして怒られた経験
など、
「こんなのでも良いの!?」
というエピソードが並んでいます。
そう、良いのです。
企業側から見て、「魅力的な学生だ!」と映れば、エピソードの実績がしょぼかろうが、全然問題ないのです。
あなたの周りにいる、大学時代に遊んでいたのにも関わらず、一流企業に内定してしまう学生は、こうやってしっかり面接官のリサーチをしているのです。
意識的か、無意識的か、は分かりませんが、「相手が何に注目しているのか」を抑えた上で、自己PRをしています。
だから、カンタンに内定しているように見えるのです。
でくのぼう
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