退職しておきながら、こんなことを言っても説得力がないですが、
「化学メーカーの営業は面白い」
です。
1.たくさんの業界のウラ話を知れる
化学業界で働くことの一番のおもしろさは、
「たくさんの業界の人と接することができる」
というところです。
- 洗剤メーカー
- ゴムメーカー
- 塗料メーカー
- 化粧品メーカー
- セメントメーカー
- 自動車メーカー
- 電子機器メーカー
など、挙げだしたらキリがありませんが、化学メーカーの商売はほぼ全ての産業に関わっています。お客さんも本当にたくさんの業界にまたがるので、まあ面白いですよ。
特に、業界ごとの「雰囲気」というのは、すごく面白いです。セメント業界の購買のおっさんなんかは、
「え、どこのヤ◯ザですか?」
っていうぐらい怖いおじさんが出てきます。
一方で、化粧品業界の研究員なんかは、さわやかなイケメンお兄さんが出てきます。それぞれの業界でウラ話を知ることができるので、その点はかなり面白いですね。
2.海外赴任がすぐ実現する
化学業界の魅力で忘れてはいけないのは、
「海外とのやりとりが多い」
ということです。
化学メーカーの海外売上高比率をちょっと調べてみると分かりますが、ほとんどの企業は
「半分以上の売り上げは海外」
です。
化学メーカーでは、お客さんの半分は海外というのはザラです。他の業界では、国内で競っている場合が多いですが、化学メーカーの場合の競合は、
- BASF(ドイツ)
- ダウ・ケミカル(アメリカ)
- デュポン(アメリカ)
- クラリアント(スイス)
といったように、世界の化学メーカーが競合他社となります。
また、面白いのが、
- A部門では、ダウ・ケミカルはお客さん
- B部門では、ダウ・ケミカルは競合
といったこともとても多いです。
「お客さんでもあり、競合でもある」
という点は化学メーカー特有でとても面白いです。
海外との商売が多いということは、すなわち、
「海外転勤が多い」
ということです。
私が前に勤めていた化学メーカーでは、
「アメリカで駐在したあと、すぐにヨーロッパに駐在」
といったおじさん社員もけっこういました。
それぐらい海外転勤が多いです。
もちろん、総合商社に比べれば、海外転勤の数は少ないかもしれませんが、メーカーの中では自動車業界と並ぶほど海外転勤が多いです。
しかも、化学業界で働く人はわりと保守的な人が多いので、手をあげれば海外赴任というのはすぐに実現します。誰も海外に行きたがらないのですね。特に家庭を持っているおじさん社員は、海外転勤を嫌がっていました。
ただ、欧米圏はほとんどなくて、現在市場が成長している中国、韓国、ASEANといった地域が中心になります。ただ、化学メーカーの事務所があるのは全て「都市」なので、韓国であればソウル、中国でれば上海といった地域が多いです。
3.転勤先で田舎がない
これはわりと見落としがちですが、化学メーカーの営業職ではたらくことのメリットは、
「転勤先で田舎がない」
ということです。
考えてみれば当たり前のことですが、化学メーカーが営業に行くのは、
「会社が集まっているところ」
です。
農業機器メーカーの営業であれば、営業先は必然的に田舎になります。農業機器を扱っている場所になるので、農業がさかんな田舎になります。(日本、世界関係なく)
しかし、化学メーカーの場合は、事務所を構えている場所はまちがいなく「都会」です。日本で言えば、
- 東京
- 大阪
- 名古屋
- 札幌
などの都市圏ばかりです。
上にも書きましたが、化学メーカーのお客さんは世界中にいるので、田舎に事務所を構えていては、対処しきれないのです。
基本的に、都市圏以外のお客さんのフォローは、
- 地方の専門商社
- 地方の代理店
がやっています。
なので、地方のお客さんへ訪問する際は、基本的に出張ベースです。(事務所がないので)
長野県のお客さんに訪問するときは、長野駅で現地の専門商社の人と待ち合わせをして、
「じゃあ、行きますか!」
みたいな感じで車でお客さんのところまで連れて行ってくれます。
余談ですが、地方の代理店の社員ののんびり具合はすごいです。
化学メーカーはノルマなどもきつくないので、メーカーの中ではわりとゆるゆるしている方ですが、それでも本社の東京の営業部などはピリついています。
しかし、地方の代理店などは、昔からのお客さんをガッチリキープして、ゆるゆるやっているところが多いので、社員もみんなゆるゆるしています。笑
「東京からよくいらっしゃいましたね〜!」
という感じで、のほほんとしています。
田舎のお客さんものんびりしていて、「東京の本社から来てくれた」というだけで、嬉しい気持ちになるのか分かりませんが、面談のときに 研究員がぞろぞろ出てきて、
「ほお!そんな製品があるんですね!」
と興味津々で私のような若い営業マンの話を聞いてくれます。そして、
「では、その製品のサンプルを全種類送ってください!」
と、めちゃめちゃたくさんサンプル依頼をしてくれます。笑 中にはすぐに製品に使用してくれる研究員もいるので、売上も上がります。
まとめますと、化学メーカーの文系営業職の面白さは、
- たくさんの業界のウラ話を知れる
- 海外赴任がすぐ実現する
- 転勤先で田舎がない
です。
化学メーカーの営業の仕事はけっこう面白いので、選択肢の一つに入れてみるのもアリじゃないですか?
でくのぼう
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