私の経験から確実に言えるのは、
「就活面接の雑談で話すべきネタは、おっさん受けする苦労話」
ということです。
1.あなたはデートで自慢しますか?
あなたは女性をデートに誘うとき、
「俺は本当に頭が良いから、今度一緒にご飯食べに行きませんか?」
「俺は本当に素晴らしい人間だから、デートしませんか?」
と言いますか?
言わないですよね。
自慢して自分を売り込むことはしないはずです。
ですが、いざ就活となると、
「私はこんなに優秀なんです!役に立つんです!だから、採用してくれませんか?」
と話す就活生が多いことに気づきますよね。
あなたは、
「この製品はこんなにすごいんです!役に立つんです!だから、買ってください!」
っていう営業マンがいたら、どう思いますか?
「うざいな」
と思いますよね。
多くの就活生がやっていることは、それと同じです。
私は以前、化学メーカーの営業職をしておりましたが、尊敬していた上司の営業スタイルは、アドバイザー型でした。
「これとこれを組み合わせたら、その問題は解決しますよ。」
と、顧客メーカーの研究者に常にアドバイスをしていました。その結果、かなりの数字を作っていました。
あなたの就活に置き換えてみると、どうでしょう。
確かに、あなたが会社に対してアドバイスをするのは難しいでしょう。しかし、相手のニーズを考えると、人事のニーズは
- 自社の仕事がきちんとできるか
- 自社の仲間とうまくやれるか
です。
ならば、
人事が聞きたいのはあなたの「自慢話」ではなく、「あなたはどんなタイプの人間なのか」が分かる話
のはずです。そして、面接官の心理を意識する必要がある以上、あなたがすべき話は
「面接官のおっさんが『分かる!!』と共感する話」
です。
2.なぜ不真面目なあいつが内定を取れるのか?
「なぜマジメに大学に通っている私がダメなのか?」
「授業にも全然出ず遅刻ばかりのあいつが内定を取れるのか?」
と思いますよね。
悔しい気持ちは分かりますが「不真面目なあいつ」がラクに就活を終えられるのには理由があります。
「面接官のおっさんの心に刺さる苦労話をしているから」
です。
私、いつも就活向けの本読んでて疑問に思うんですよね。
何で就活向けの本って、あんなに学生に自慢ばかりさせようとするんですかね。
だって、
「アルバイト先の売り上げを〇〇%アップさせ…」
「サークルでは副代表を務め…」
っていう話は、会社の営業でいえば、
「うちの製品は、こんなにすごいんですーーー!!!」
ってひたすら言ってるようなものじゃないですか。
あなたは、そんな営業マンからモノを買いますか?
私、就活中に気付きましたもん。
「あ、これ自慢やめた方が、内定出るわ。」
って。
そこからは、ひたすら雑談の際に、おっさん受けする苦労話をしていました。
雑談っていうと、基本的に自己PRの時間なんて、
「自己PRしてください」
の後の1〜2分間ぐらいで、残りはほとんど雑談じゃないですか。だから、雑談でどのような話をするかで面接の合否を決まるんですよね。
面接官も人間です。あなたに好意的な印象を持ったら、確実にその感情に引っ張られます。
「面接官のおっさんの心に刺さる話をできるかどうか」
が生命線でしょう。
3.M-1の戦い方に学ぶ、就活の戦い方
島田紳助って知っていますか?
彼が一度だけ吉本NSCで「お笑いの公式」についてセミナーを行ったことがあるんですが、「M-1の戦い方」について、こう語っていました。
いっぱい見よるねん。審査員はずーっと。飽きるねん。飽きよるねん。飽きた時に違うもの見たら「おもろい」と錯覚するやろ?
我々は、テレビを見てる人の心理を考えて喋ってんのよ。絶対。カメラの向こうのお茶の間の人を意識して喋ってんのよ。
自分らも、M−1で審査員意識してやらなあかん。審査員1日100組漫才見るねんで。80組目や。審査員どんな状態やねん。普通にいってもあかんやん。
DVD『紳竜の研究』より
これ、就活も同じだと思いませんか?
就活の面接官も、1日100回ぐらい面接をこなしていますよね。朝から夕方まで、ひたすら学生の同じ話を聞かされています。
「アルバイト先の売り上げを〇〇%アップさせ…」
「サークルでは副代表を務め…」
という話を何十回も聞かされているわけです。
そんな状態で、あなたが
「アルバイト先の売り上げを〇〇%アップさせ…」
「サークルでは副代表を務め…」
という話をしたら、面接官はどう思うでしょうか?
「またかよ」
と思いますよね。
実際、雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏も、
正直、企業はこうした学生の「役職・肩書き」話にほとほと困っています。(中略)
学生は何とか役職や肩書きを言わなければと、本当に些細な集まりの話などをするため、もう、こうした〇〇長がインフレを起こして、聞く側は胸焼けを起こしているほどです。
海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社 P.76-77
と語っており、やはり人事は学生の自慢に飽き飽きしていますね。
・・・では、どうすれば良いのか?
面接官の心理を意識して「おっさん受けする苦労話」を話せば良いのです。
学生の自慢を一日中ずーーっと聞かされている面接官はどんな気持ちですか?学生の自慢に飽きてますよね。うんざりしてますよね。
そんな中、
自慢を一切せず、苦労話をしゃべってくる学生が現れたら、面接官はどう思いますか?
「他の学生と違う!」
と感じると思いませんか。実際、私はそうして内定を獲得してきました。
4.私が面接で話してウケが良かった雑談
実際に私が面接でした苦労話はこんな感じです。
イベントの設営のアルバイトを半年間やっていたが、職人からの叱責がハンパじゃなかった。でも、めげずにマジメにやっていたら、最後には缶コーヒーをおごってくれる仲になった。
こんな話をしたら、たまたまその時役員が面接に居合わせており、その場で内定をもらいました。
就活でよく言われる、PDCAも全く入っていない話です。でも、内定をもらいました。なぜか?
面接官のおっさんの心に突き刺さったから
面接官のおっさんが、『分かる!!』と共感したから
です。
あなたも想像がつくかと思いますが、どんな会社でも大変なのは、
- 理不尽な上司
- 客からのクレーム
です。
この2点が「企業に勤めるサラリーマンの不満」の90%を占めます。
何が言いたいのかというと、
イベントの設営のアルバイトを半年間やっていたが、職人からの叱責がハンパじゃなかった。でも、めげずにマジメにやっていたら、最後には缶コーヒーをおごってくれる仲になった。
という私の話は、
普段理不尽な上司から怒られている面接官のおっさんの心に強烈に突き刺さった
ということです。
「うわ、こいつ分かってるわ。こんな学生いない。うちで働いてほしい。」
という気持ちにさせたということです。
周りの学生が
「アルバイト先の売り上げを〇〇%アップさせ…」
「サークルでは副代表を務め…」
と自慢している中、私は「理不尽な上司から怒られた話」をしたわけです。自慢話に飽きている面接官の心理を意識して、「面接官のおっさんの共感を呼ぶ話」をしたわけです。
そりゃ、目立ちますよね。だって、他にそんな話している学生絶対いないですから。
キャリアセンターの面接練習でこんな話したら、
「そんな話、面接でしちゃダメだ!!」
と言ってくるでしょう。でも、効果は抜群でした。いろんな会社で似たような話をしましたが、どこの会社でもウケは抜群でした。
まあ、まとめると、
面接官のおっさんの普段のストレスを想像し、共感を呼ぶような苦労話をするのがオススメ
ということです。
でくのぼう
「実績も何もない…」というあなたが、最短で上場企業の内定を取るためのメール講座