文系の化学メーカーの面接では化学知識が必要なのか?

今、あなたは、

「文系の化学メーカーの面接では、やっぱり化学知識が必要なの?」

と不安に思っていませんか?

結論から言うと、

「文系の化学メーカーの面接では、化学知識は必要ない」

です。笑

1.「高校までに習う化学知識」と「仕事で必要な知識」は全く違う

なぜ文系の化学メーカーの面接で化学知識が必要ないかというと、

「高校までに習う化学知識」と「仕事で必要な知識」は全く違うから

です。

あなたが今、イメージしている化学知識というのは、

  • C2H5OH+3O2→2CO2+3H2O
  • 硫黄+酸素→二酸化硫黄

とか、そういうのだと思います。

ですが、実際に仕事で使う化学知識は全然違います。笑

どういうことか、ご説明します。

例えば、あなたが化学メーカーに入社して、配属された部署が、

「アクリル樹脂」

の製品を扱っているとしましょう。

その場合、あなたがまずやらなければいけないのは、

『アクリル樹脂入門』

みたいな専門書を徹底的に読み込むことから始まります。

(『アクリル樹脂入門』という本が実在するかは分かりません。ただ、どの分野においても、『〜〜入門』という専門書があります。そして、めちゃくちゃ高いです。だいたい1冊5000円ぐらいします。ただ、会社の経費で落ちるので、安心してください。笑)

で、その『アクリル樹脂入門』で何を勉強するのかというと、

  • そもそもアクリル樹脂とは何なのか?
  • アクリル樹脂の中には、どんな種類のものがあるのか?
  • アクリル樹脂はどんな用途に使われるのか?

を勉強するわけです。

こういった研修が、だいたいのイメージですが、

「入社〜5月のGW前」

ぐらいまで続きます。

そうやって、

「アクリル樹脂とは何なのか?」

を一通り勉強した後は、今度は先輩社員の営業にくっついていって、

  • 自社のアクリル樹脂はどんな会社に納入されているのか?どんな用途で使われているのか?
  • 自社のアクリル樹脂の強みはどこなのか?弱みはどこなのか?
  • 競合他社はどこなのか?
  • 競合他社のアクリル樹脂の強みはどこなのか?弱みはどこなのか?

を実際の業務から、学んでいきます。

というように、これが、

「仕事で必要な知識」

です。

もうお気づきだと思いますが、

  • C2H5OH+3O2→2CO2+3H2O
  • 硫黄+酸素→二酸化硫黄

といったことを暗記する必要はないのです。

あなたが入社後に覚えなければいけないのは、

  • そもそもアクリル樹脂とは何なのか?
  • アクリル樹脂の中には、どんな種類のものがあるのか?
  • アクリル樹脂はどんな用途に使われるのか?

といったことなので、ほぼ「暗記」に近いです。

(というか、営業をしていれば、こういったことは嫌でも覚えるようになります。笑)

2.文系営業マンに求められているのは「化学知識」ではなく「売り先の拡大」

なぜ文系の化学メーカーの面接で化学知識が必要ないかというと、もう一つの理由は、

文系営業マンに求められているのは「化学知識」ではなく「売り先の拡大」だから

です。

あなたが化学メーカーに入社して、営業に回るとき、

  • メーカーの研究
  • メーカーの購買

といった人にアポを取ることになります。

もちろん、そのときに顧客のの研究者に製品説明をすることになりますが、その際は、

  • この製品は何の役に立つのか?
  • この製品は具体的にどのように使われているのか?

といった内容がメインになります。

相手は本職の研究者なので、

化学式がどう、化学反応式がどう、

といった話は、文系営業マンに対しては、質問してきません。笑

また、相手が、

「本格的に技術的な話を聞きたい」

と言ってきた場合は、こちらも、

「では、次回、研究の者を連れてまいります」

と言って、研究と同行でアポに向かうことになります。

なので、

  • C2H5OH+3O2→2CO2+3H2O
  • 硫黄+酸素→二酸化硫黄

といった高校で習うような化学知識は、基本的に不要なのです。

それよりも、文系営業マンに求められているのは、

「売り先の拡大」

です。

売り先の拡大というのは、例えば、

  1. 納入実績のある会社すべてにアポを取って、「この製品が客先でどのように使われているのか?」を調べ上げて、他の似たような会社にも販売できないか?を考える
  2. 他の似たような会社と取引のある商社の人間とアポを取って、目ぼしい会社のアポを取ってきてもらう
  3. 目ぼしい会社に対して、商社と片っ端から営業をかける

といったことをやることです。(あくまで一例です。笑)

文系営業マンに求められているのは、化学知識ではりません。

「上記のような仕事をやり遂げるためのコミュニケーション能力」

です。

コミュニケーション能力とは、具体的に言えば、

  • 顧客からそれとなく「使用用途」を聞き出す能力
  • 商社に対して「こういう用途で売りたい」とアピールする能力
  • 客先で「こういう使用用途で役に立ちますよ」とアピールする能力

といったことです。

3.理系院卒でも専門外の知識に関しては、スタート地点が文系と一緒だから

なぜ文系の化学メーカーの面接で化学知識が必要ないかというと、最後の理由としては、

「理系院卒でも専門外の知識に関しては、スタート地点が文系と一緒だから」

です。

これ、文系学生にはあまり知られていませんが、

「理系の院卒が化学メーカーに入社するとき、ほとんどの場合、自分の大学院での研究とは全く関係ないことをやることになる」

のです。

どういうことかというと、

  • 大学院での専門テーマ→量子測定、量子情報、情報熱力学
  • 入社後の研究室の専門テーマ→アクリル樹脂

といったことが、よく起こります。(よく起こるというか、だいたいそうです。笑)

何が言いたいかというと、配属された文系学生と同じように

「理系院卒であっても『アクリル樹脂入門』でイチから勉強しなければいけない」

ということです。笑

文系営業マンの場合は、

  • そもそもアクリル樹脂とは何なのか?
  • アクリル樹脂の中には、どんな種類のものがあるのか?
  • アクリル樹脂はどんな用途に使われるのか?

といった基礎的な内容で十分ですが、当たり前ですが、研究職の場合はさらに理解を深めなければいけないので、

「勉強量はハンパじゃない」

です。

というわけで、最初の話に戻りますと、

「文系の化学メーカーの面接では、化学知識は必要ない」

ですので、ご安心ください。笑

       

でくのぼう


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