「とりあえず、使えそうなエピソードの候補は出してみたけど、これESに書いてもウケ悪いかな?」
「良いES例は『集団で頑張った系』が多いから、やっぱりそういうのにしないとダメなのかな?」
と悩んでいませんか?
ということで、今回は、
「ウケの良いESとウケの悪いESの違い」
をお話ししましょう。
まず、結論から言うと、ウケの良いESとウケの悪いESの違いとは、
「『それがウチの会社にとって、何の役に立つの?』にきちんと答えているかどうか」
です。
1.大事なのは「どんなエピソードを選ぶか?」ではない。
まず一番大事なことから言うと、
ESで大事なのは「どんなエピソードを選ぶか?」ではない
ということです。
どういうことか、説明しましょう。
あなたは今、
「良いES例に『サークルのメンバーをまとめた』『チームのメンバーの意図を汲んで、優勝を勝ち取った』が多いってことは、そういうエピソードがないといけないのか…」
と思っていますよね?
・・・そんな心配しなくて、大丈夫ですよ。笑
「個人で頑張ったエピソードより、集団で頑張ったエピソードの方が良い」
っていうのは、ウソです。
ウソっていうより、「本質ではない」です。
私はこのブログで何度もお伝えしていますが、面接官の頭の中にあるのは、
「それがウチの会社にとって、何の役に立つの?」
だけです。
「それがウチの会社にとって、何の役に立つの?」
が、壊れたiPodのようにずっとリピートされ続けていると思ってください。笑
つまり、何が言いたいかというと、
「『それがウチの会社にとって、何の役に立つの?』にきちんと答えられていれば、個人で頑張ったエピソードでも、集団で頑張ったエピソードでも、まったく問題ない」
ということです。
2.巷で言われている「数字を絶対入れろ」は無視して良い。
もう一つ大事なのが、
「『それがウチの会社にとって、何の役に立つの?』にきちんと答えられていれば、エピソードに具体的な数字が入っていなくても良い」
ということです。
「ESには数字が入っていないとダメだよ」
「ESで書くエピソードは『数字を伴う実績』でないとダメだよ」
とドヤ顔で言っている人がいますが、それは違います。
具体的な数字なんて、「あってもなくても大丈夫」です。
「私のおかげで、昨年比売上20%アップしました。」
「私のおかげで、集客率が2倍になりました。」
と無理して作った数字を言うより、たとえ数字が入っていなくても、
『それがウチの会社にとって、何の役に立つの?』
にきちんと答えているエピソードの方が、100倍ウケが良いです。
そもそも、
「私のおかげで、昨年比売上20%アップしました。」
「私のおかげで、集客率が2倍になりました。」
みたいな自慢をすると、面接官のおじさんに、
「それって、君だけのおかげだけではないよね?」
「それって、店が達成したことで、君が達成したことではないよね?」
とイジワルされて終わるだけです。苦笑
これは、ある栄養学科の女子学生が、倍率の高い給食センターに内定したときの話です。
彼女は栄養士の免許をとり、食品関連の仕事を目指していました。
当然、食に興味があるため、アルバイト先も街中の飲食店です。
そこで、面接のときもその話をしたのです。
ただ、給食センターともなると、同じように食に興味があり、飲食系のアルバイトをしている学生が多いのですね。
だから、それ自体はまったく意味をなしません。
ところが、話の内容がすばらしかった。
彼女は、お客様の笑顔が見られるように努力を惜しまない、という話をします。
(中略)
「お客さんの行動をよく見ていて、何か不満があると、それを解決できるように工夫をしていました。
たとえば、そのお店は丼ものに自信があったのですが、女性やお年寄りのお客さんだと、食べきれずに残す人が多かった。
そこで、メニューに『小盛』を用意するように提案したのです。
それはとても人気となりました。
また、サバを使った丼を出したとき、年配のお客様から、サバの塩焼きを食べると口の中が渋くなるという声をいただきました。
たぶん、お茶の成分であるタンニンとサバの脂が化学変化を起こすのでしょう。
そのことを店長に伝え、私が麦茶とほうじ茶を用意し、スタッフで飲み比べた結果、サバの季節の間は麦茶を取り入れることになりました」
どうですか?
これなら彼女の、気配りや企画提案力がよくわかるでしょう。
海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社 pp.113-115
この女子学生のエピソードでも、特に「数字」は入っていませんよね?
数字は入っていなくても、
『それがウチの会社にとって、何の役に立つの?』
にきちんと答えているからこそ、面接官の心に突き刺さるわけです。
3.常に「相手の話」からスタートする。
『それがウチの会社にとって、何の役に立つの?』
にきちんと答えるためには、「相手のことを調べること」が一番先に必要です。
まあ、要は「企業研究」っていうことですね。
上の例で言えば、この女子学生の頭の中では、
「この仕事には、企画力と提案力が求められるはずだ」
→「じゃあ、飲食のアルバイトで『小盛』や『麦茶』を提案したエピソードを言おう」
という順番でエピソードを選択したはずです。
この順番が、とても重要です。
ほとんどの就活生は、
「自分の経験で、何か自慢できるエピソードはないか?あ、あのエピソードなら、ESに書けそうだ!」
という順番で、エピソードを探していきます。
ですが、正しい順番は、
「自分が受ける会社で求められるものは何か?」
→「それをアピールするためには、どのエピソードを話せば良いか?」
のはずです。
私が化学メーカーや自動車部品メーカーを受けたときは、どのように考えたかというと、
「BtoBの営業で求められるのは、『信頼を勝ち取ること』だな。うーん、『信頼を勝ち取れる』をアピールできるエピソード、何かなかったかな?あ、『職場の怖い職人から気に入られらこと』をアピールすれば、たぶん刺さるな!」
と考えて、ESに書いていました。
面接でも、
「私の勝手な推測で申し訳ありませんが、御社で営業として働く上では、『信頼を勝ち取ること』が重要だと思います。私は〜〜というエピソードがあります。だから、御社に貢献できます。」
というしゃべり方をしていました。
この、
「相手の話」からスタートする
というところがとても重要なわけです。
でくのぼう
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