「就活でアピールポイントがない」と悩むあなたにも必ず強みはある。

「就活でアピールポイントが思いつかない…」
「自分には強みなんてない…」

というあなたにアピールポイントを探す方法をお伝えします。

1.アピールポイントのかんたんな見つけ方

就活をしていると、

「内定を取った人はみんなすごい経験をしているのに、自分はそんなのない…」

と悩んでしまいますよね?

ですが、安心してください。

上場企業から内定を取るのに、すごい経験は必要ありません。

あなたがアピールポイントを見つけるためにやるべきことは、

  1. まわりの人に自分の強みを聞いてみる
  2. 「自分は苦労なくできて、他の人ができないこと」を思い出す

の、たった2つだけです。

 1.1.自分の強みを見つける

まず1つ目は、

「まわりの人に自分の強みを聞いてみること」

です。

就活でよく「他己分析」といわれているものですが、呼びかたはなんでも良いです。笑

ポイントは、

「自分の強みは自分ではわからない」

という点です。

鏡を使わなければ、人は自分の顔を見ることはできません。

強みというのは、

「まわりの人は苦労するけれど、自分は苦労なくできるもの」

と、いいかえられます。

つまり、苦労なくできている時点で、あなたは自分の強みに気づくはずがないのです。

 1.2.「自分は苦労なくできて、他の人ができないこと」を思い出す

次に2つ目は、

「『自分は苦労なくできて、他の人ができないこと』を思い出すこと」

です。

「自分の強みなんて分からない…」

と悩んでしまうのは、あたりまえです。

部屋でひとりでウンウンうなって考えても、出てくるものではありません。

「強み」と考えるから、むずかしいのです。

発想をかえましょう。

「他の人の弱み」

を探しましょう。

たとえば、バイト先で、あなたよりもクレーム対応が苦手な人はいませんか?

たとえば、サークルの中で、あなたよりも飲み会の幹事経験が少ない人はいませんか?

たとえば、大学のクラスで、あなたよりも授業に出ていない人はいませんか?

・・・・・。

そうやって考えると、出てきますよね?

あなたよりもクレーム対応が苦手な人がいるということは、

「あなたはほかの人よりも、トラブル解決能力がある」

ということです。

あなたよりも飲み会の幹事経験が少ない人がいるということは、

「あなたはほかの人よりも、いやなことに進んで取りくむ力がある」

ということです。

あなたよりも授業に出ていない人がいるということは、

「あなたはほかの人よりも、気持ちに左右されずに、地道にコツコツ仕事を進める能力がある」

ということです。

「そんなエピソード、面接でしゃべれるわけないでしょ」

と思っているなら、それはまちがいです。

「すごい実績のESの見すぎ」です。

たとえば、

海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社

では、

「自分を出して内定を獲得した例」

として、こんなエピソードが紹介されています。

あまり偏差値の高くない大学の学生が、今けっこう人気のある大きな葬儀屋さんに採用されたときに、こんな自己PRをしたそうです。

彼は、飲酒禁止の学内なのに、みなで大酒を飲んでしまったのです。

ところが、酒に弱い後輩がその場に倒れ、急性アルコール中毒で息も絶え絶えとなってしまいました。

その状況で他の学生は、校規違反がバレるとヤバいと、クモを散らしたように消えてしまったのです。

一方、責任感の強い彼は、救急車を呼び、汚物まみれの後輩の体を洗い、彼の両親に電話をかけ、そして、到着した救急車に乗り、病院まで付き添います。

病院ではなんと、警察の尋問を受け、そして後輩の両親に叱咤されるのですが、それでも、その場にいた友人の名前は出さなかった。

責任感が強く、そして、信頼が置けるという、彼の性格がよく表れた話です。

こういう話であれば、責任と信頼が大切な会社から、内定が出て当然です。

海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社p.79

どうでしょう?

「え、そんな平凡なエピソードでいいの?」

と思いませんでしたか?

そう、

  • 「売上20%アップ」という数字もなければ、
  • 「サークルの副会長として〜」という肩書きもない、

平凡なエピソードです。

でも、良いんです。

なぜなら、

「日常的なエピソードであっても、自分の強みをよく表しているから」

です。

2.エピソードは絶対に盛ってはいけない

たまに、

「自分は平凡なエピソードしかないから、数字や実績を盛っておこう」

と考える人がたまにいますが、絶対にやめてください。

「なぜエピソードをでっちあげてはいけないか?」

というと、

「すぐにバレるから」

です。

企業が、

「学生のエピソードが本当かどうか」

をどこで判断しているかというと、

「応募者の行動事実にフォーカスすること」

で判断しています。

この判断方法は、どの採用担当者向けの本にも書かれています。

たとえば、企業向けに人材採用のコンサルをおこなっている、伊東朋子氏が

もし会社がリーダーシップを採用要件として求めるのであれば、面接官はその学生が「リーダーシップ」の行動要件に見合うような行動を部活動でどのようにとっていたか、そのことを尋ねなくてはなりません。

評価の判断材料として重要なことは、履歴書に書かれた、あるいは面接の場で応募者がアピールする「自己申告」ではなく、それを裏打ちする「行動事実」なのです。

(中略)

重要なのは応募者が話す「自己申告」ではなく、「実際の行動事実」なのです。

伊東朋子(2015)『科学的手法で絶対に成功する採用面接 改訂版』幻冬社メディアコンサルティング p.48

と言っています。

つまり、あなたがどんなに数字や実績を盛ったとしても、

「面接官ははじめから信じていない」

ということです。

信じないだけならよいですが、そのあとに「行動事実」をくわしく聞いてきます。

ここで、あなたはボロが出てしまいます。

そして、

「くわしく聞いてみたら、言ってることと全然ちがうじゃないか」

となり、お祈りされるでしょう。

リクルートキャリアの細井智彦氏も、

「応募者をより深く見抜くテクニック」

として、

応募者の能力や本質を見抜くテクニックは大きく分けると2つあります。

まずひとつが、5W1Hを意識して質問すること

過去の仕事や経験を

「When(いつ)」
「Where(どこで)」
「Who(誰が)」
「What(何を)」
「Wht(なぜ)」
「How(どのように)」

で、分解していくのです。

「ひとつの企画を立ち上げるために、何回くらい打ち合わせをしたのか」
「そこでとくに心がけていたことは何か」
「それはなぜか」

などと話を引き出していくことで、応募者の仕事ぶりが事細かに見抜けるようになります。

(中略)

もうひとつは

「きっかけ」→「行動」→「結果」→「学んだこと」

というPDCAを意識して話を聞くテクニックです。

プロセスに着目している面接官は少なくないと思いますが、それでも

「行動」→「結果」

だけでも終わっている人がほとんどです。

「どんな仕事(行動)をして、どんな実績(結果)を残せたか」

だけでは応募者の能力を判断するには不十分。

とくに「きっかけ」は、応募車の自主性を知るための欠かせないキーワードなので、忘れずに確認してください。

細井智彦(2013)『「使える人材」を見抜く 採用面接 』高橋書店 pp.64-65

とあげています。

あなたは数字や実績を盛ったエピソードについて、

「When(いつ)」
「Where(どこで)」
「Who(誰が)」
「What(何を)」
「Wht(なぜ)」
「How(どのように)」

を根ほり葉ほり聞かれても、ウソを隠しつづける自信はありますか?

・・・むずかしいですよね。

だから、

「エピソードは絶対に盛ってはいけない」

のです。

「でも、実績や数字がないと、内定が出ないでしょ?」

と思うかもしれませんが、それはちがいます。

企業が見ている面接で見ているポイントは、実績のすごさではなく、

  • 自社の仕事がきちんとできるか
  • 自社の仲間とうまくやれるか

の2点だけです。

リクルートキャリアの海老原嗣生氏が、

企業側が面接で見ているポイントに立ち返ってください。

・自社の仕事がきちんとできるか
・自社の仲間とうまくやれるか

その判断をするために、面接を行なっているのです。

(中略)

あなたが面接でしなければならないのは、別に大げさな話でなくてよいから

「自分はどんなタイプの人間なのか」

をしっかりと表現することです。

海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社 p.77-78

と語っているように、面接官が見ているのは、

  • 自社の仕事がきちんとできるか
  • 自社の仲間とうまくやれるか

の2つだけであって、

「エピソード自体がすごいかどうか」

ではありません。

あなたのアピールポイントで考えるべきは、

「大げさな話でなくて良いので、あなたがどんな人間かをしっかりアピールすること」

です。

3.「それがウチの会社にとって何の役に立つの?」の返しを準備する

さて、アピールポイントを見つけたら、最後にあなたがやるべきは、

「『それがウチの会社にとって何の役に立つの?』の返しを準備すること」

です。

メンタリストのDaiGoは、

「自分が持っているスキルを、相手にとって必要なものだと思わせるトレーニング」

として、このようなトレーニングを紹介しています。

1.紙とペンを用意

2.自分の得意なこと、持っているスキル、経験などを書き出す

例:心理学に詳しい

3.自己アピールとそれに対するツッコミをシミュレーション

まず、目の前に人がいると考えて、その人に今書いた自分のスキルをアピールするところを想像します。
次に、それに対して目の前にいる人が「だからどうした?」と返してきたところを想像します。

4.ツッコミへの返しを用意する

「だからどうした?」というツッコミに対するうまい返しを考えて書き出します。

5.さらなるツッコミと返しを考えていく

さらに相手が「だからどうした?」とツッコんできたことを想像します。
また返しを考えて書き出します。
さらに相手が「だからどうした?」とツッコんできます。
さらに返しを考え、書き出し……をできるだけ長く続けます。
こじつけでも構わないので、瞬時に考えて書くのがポイント。

(中略)

こじつけや思い付きでまったく構いません。

「だからどうした?」

を繰り返して、20個、30個と答えを書いていきましょう。

これを事前にやっておくことによって、面接で不意に話を振られたときに、即座に相手のニーズに合わせて自分を売り込めるようになるのです。

メンタリストDaiGo『面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略』KADOKAWA pp.155-160

これは本当に、あなたの役に立つトレーニングです。

あなたが話すエピソードは平凡で問題ないのですが、必ず忘れてはいけないのが、

「『あなたの会社に役に立つために、面接を受けに来ている』という姿勢を見せること」

です。

こう言っては何ですが、ほとんどの学生は、

「就活は自分の価値が評価される場所」

と考えています。

(だからこそ、「人格否定された…」と悩んでしまうわけですよね)

ですが、実際はぜんぜんちがいます。

企業はもともと

「お金もうけをする集団」

です。

ボランティア団体でもなければ、NGOでもありません。

なので、

「あなたがお金もうけをするのに、私は役にたちますよ」

と自分をセールスしていくのが、就職活動というものです。

世界No.1マーケターといわれるジェイ・エイブラハムも

「だから何?」

と、いつクライアントに聞かれてもいいよう準備を整えておくべきです。

この問いにどう答えるのか、はっきり知っておかなければなりません。

ジェイ・エイブラハム,島藤真澄監訳(2017)『マネー・コネクション あなたのビジネスを加速する「戦略」の見つけ方』KADOKAWA p.86

と言っていますが、あなたの平凡なエピソードも、

「だから、〜〜という点で御社に役に立ちます」

と答えることができれば、魅力的なプレゼンになるのです。

逆に、

  • スポーツの全国大会で優勝した経験がある
  • TOEICが900点ある
  • 学業の成績がトップ

という実績があったとしても、

「それがウチの会社にとって何の役に立つの?」

をきちんと説明できなければ、お祈りされてしまいます。

広告の世界では、顧客は、

「それが私にとって何の役に立つの?」

をいつも考えている、と言われています。

就活の面接でも全く同じです。

面接官がいつも考えているのは、

「それがウチの会社にとって何の役に立つの?」

です。

そして、それに答えるためには、平凡なエピソードで構わないので、

「だから何?」

を繰り返していくことが、なによりも大切になってくるわけです。

       

でくのぼう


「実績も何もない…」というあなたが、最短で上場企業の内定を取るためのメール講座