勘違いしている人が多いですが、就活は自分という商品を売る
「自分自身のセールス」
です。
1.就活は自分自身のセールス
勘違いしている人が多いですが、就活は自分という商品を売る営業です。
まず「自分」という存在が売れてから、商品が売れるわけですね。
「BtoCの営業だけじゃないの?」
と思うかもしれませんが、営業であればどんな業種であっても同じです。
BtoBであっても、結局最後の最後、採用を決めるのは人間なのです。
私が以前、洗剤メーカーへの原料の営業を担当していたとき、こんなことがありました。
その洗剤メーカーでは、他社製品が使用されていました。
私はその洗剤メーカーの購買のおばさんにものすごく気に入られていました。その結果、どうなったか?
購買のおばさんは、
「今、他社品を◯◯円で納入しているから、同じ値段だった納入できるよ。」
と教えてくれました。
その結果、他社品からの切替ということで、自社品を納入することができたのです。
分かります?
BtoBの営業であっても、結局最後は「人の好き嫌い」で仕事が決まっていくのです。
営業とはそういうものです。
もちろん、就活もまったく同じです。
就活も面接官の「好き嫌い」で決まっていきます。
メンタリストのDaiGo氏も著書で、
面接をする企業の側に立ってみてつくづく思ったこと。それは、面接官の能力は極めて限定されている、ということでした。
普通、就職面接では、受験者の人柄や業務をこなす能力、学識、コミュニケーションの円滑さ、それらの総合的なバランス……などなどを見ている、ということになっています。
残念ながら、それはすべて嘘、もしくは勘違いです。
面接官にそんな能力はありません。
面接する人は、単に好感度だけで合否を決めています。
実際にその人が有能かどうか、とは関係なしに、「どれぐらい好感度を与える人間か」によって面接の結果は決まるのです。
それは私の経験上の結論であり、心理学者や社会学者による実験の結論でもあります。
(中略)
「人間はいかに表面的な特徴に引っ張られて他人を評価するか」
「第一印象が人物の判断にどれほど決定的な影響を与えるか」とまず知る必要があるのです。
(中略)
「自分は志望者の能力を判断できる」
「上っ面ではなく、人間性を見ている」
「嘘は通用しない」などと思い込んでいる。
実際は、好感度で90%以上左右される面接担当者ばかりなのですが。
だからこそ、そのことを知っているあなたは、ちょっとした工夫で、面接の場を支配できるのです。好感度という武器を使って。
メンタリストDaiGo『面接官の心を操れ!無敵の就職心理戦略』KADOKAWA pp.58-60
と語っていますが、まさにその通りです。
「受験者の人柄や業務をこなす能力、学識、コミュニケーションの円滑さ、それらの総合的なバランス」を見る能力は、面接官にはないのです。
これを知っておくだけで、就活を営業と考えれば、自然な考えですよね。
洗剤の購買担当者に「人柄や業務をこなす能力、学識、コミュニケーションの円滑さ、それらの総合的なバランス」を見る能力はあるでしょうか?
あるわけありません。
むしろ、性格のきついおっさんばかりです。笑
就活も一緒です。
面接官は全知全能の神ではありません。
リクルート出身のおじさんが書いた本では、
「面接官は学生の嘘など、簡単い見抜いてしまいます」
と言っていますが、そんな能力は持っていません。
自分が好感度によって判断してしまうバイアスを持っている
ということを自覚して面接している人など皆無です。
そもそも、リクルートのおっさんが面接をするわけではなく、実際にあなたを面接するのは、企業の普通のおじさんです。営業畑でずっとやってきたおじさんか、人事部一本のおじさんです。
2.営業で最も重要なのは「信頼を勝ち取ること」
営業で最も大切なこととは何でしょうか?
営業の神様、ジョー・ジラードは著書でこう言っています。
私が売っている物は、何十万人ものセールスマンが売っているものだ。
シボレーはシボレーだ、と思うだろう。
アメリカ中どこでも買えるし、どれも皆同じだと。しかし、それは違う。
ジョー・ジラードからかったシボレーは単なる車ではない。
それは私が客とその家族、友人、同僚など二五〇人との間に築いた人間関係そのものである。
ジョー・ジラード,石原薫訳(2010)『私に売れないモノはない!』フォレスト出版 pp.240-241
営業が売っている物は商品ではなく、
「顧客からの信頼そのもの」
ということです。
つまり、営業で最も重要なのは、
「お客から信頼を勝ち取ること」
と言えますよね。
3.外資系生保トップ営業マンに学ぶ、「信頼の勝ち取り方」
さて、あなたが就活で面接官から信頼を勝ち取るにあたり、参考にしてほしい人がいます。
それは、
「外資系生命保険のトップ営業マン」
です。
彼らはすごいです。
なぜすごいのかというと、
「生命保険ほど、売るのが難しい商品はないから」
です。
生命保険というのは、効果が感じにくい商品です。
効用が定かでなく、どの会社から買っても同じ、高額ーこんな商品を売らなければならないのだから、これはもうべらぼうに難しい仕事だ。そのために生保レディは必至に知恵を絞り出してセールスをしてきた。
その結果、彼女たちの給与は歩合制だから年収三億円などというトップセールスレディも誕生した。
このレベルの生保レディの手法は一様に、顧客の心理を徹底的に読み、そこを巧みに突いて商品そのものよりも自分を信頼させるという作戦である。
堀紘一(2009)『人と違うことをやれ!いまの仕事に大変革を起こす“6つの戦略”』PHP研究所 p.217
この本で紹介されている、トップセールスレディは、こんな作戦で億の収入を稼いだそうです。
- コツコツ一人ひとりに売り歩いてもキリがないため、中小企業の経営者に狙いを定め、その会社を丸ごと自分のものにしよう、と考えた。
- 社長を落とすために、一枚2〜3万円の有名歌手のディナーショーを自腹で買い、「奥様と一緒にどうぞ」とプレゼントする
- 「今度、一度お話したいのですが」とアポを取る
- 中小企業の経営者は忙しいため、たいてい5〜10分待たされる
- 普通の人間であれば、「4〜5万円も自腹を切ったのだから」といつまでも待つが、あえて「本日はお忙しいようなので失礼します。またお会いできることを期待しています」と書き残して去る
- 社長の心に「ディナーショーでご馳走になった、会う約束をしたのに自分の都合で待たせた上に会えなかった。しかも、相手は嫌味一つ言わずに帰っていった。悪いことをしちゃったなあ。」という気持ちが芽生える
- 今度会うときは、「ご馳走にはなった。アポはキャンセルした。そのあげくに手ぶらで帰すわけにはいかない。仕方ない、保険に入ってやろう。」という状態で会える。
見事な「損して得取れ」作戦ですよね。
これは就活でも使える作戦です。
「有名ディナーショーのチケットなんてあげられるわけないじゃん」
と思うかもしれませんが、大事なのはそこではありません。
大事なのは、
「どうすれば相手に喜ばれるか?」
ということを考えることです。
そして、あなたにできる一番簡単なギブは、
「面接官のおじさんに質問すること」
です。
- その業界での仕事特有の大変さ
- 職種の大変さ
- その仕事のやりがい
などを、逆質問の際に聞けば良いのです。
面接官に、
「ウチの会社のことを大切に思ってくれている」
と感じさせることが重要なのです。
でも、あなたが逆の立場だったら、どう思いますか?
「御社に入りたいです!」
と言ってきた人に、
「競合のA社でもいいんじゃない?」
と質問したら、
「え、、ああ、、」
と口ごもってしまったら、どう思いますか?
「本気でウチに入りたいの?」
となると思いませんか?
一緒のことです。
プルデンシャル生命のエグゼクティブ・プランナーの川田修氏は著書で、
「まず普通の営業だったらどうするのか?」を考える
フルコミッション(完全歩合制)の給与体系の仕事ということは、会社の名刺で営業するものの、身分としては個人事業主に近いものです。
(中略)
会社の看板を背負って働くというより、
「川田修」というブランドを磨き上げなければいけません。
生命保険という商品だけでなく、お客様に「川田から買いたい」と思っていただく必要があるのです。
(中略)
「どうすればお客様に自分のことを強く印象づけられるのか」
それには周りにいる普通の営業の少し先回りをして、お客様に対して、「この人なんか違う」と何かしらの興味や感動を与えるしかない。
そう考えた私は、まず「普通の営業だったらどうするのだろう?」と、常に自問自答することにしました。
川田修(2009)『かばんはハンカチの上に置きなさい』ダイヤモンド社 p.26
と語っているように、ポイントになるのは、
「普通の就活生ならどうするのだろう?」
を考えることです。
ふつうのの学生は、自己PRや志望動機の作成ばかりに目がいってしまし、企業研究などろくにやっていません。
- エントリーする会社が多いから、企業研究まで手が回らない
- 企業研究などやっても意味がない
と謎の言い訳を並べ立てて、企業研究を全然やりません。
だからこそ、あなたは徹底的に企業研究をやるのです。
でくのぼう
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