真面目な人が就活で苦労するのは、
「スパイ活動をやっていないから」
です。
1.就活はスパイゲーム
孫子の兵法の中に、
上兵は謀を伐つ。
「最上の戦い方は、敵の謀略、策謀を読んで無力化することである」
というものがありますが、就活も全く同じです。
あなたが就活で無駄な労力を使わずに勝つために何よりも重要なのは、
「スパイ活動」
です。諜報活動です。もちろん企業に侵入しろということではなく、
「人事部が何を考えているかに関する情報を徹底的に集める」
ということです。
1966年から1978年の引退に至るまで、12年連続でギネスブックの「世界No.1セールスマン」に認定されたシボレーのセールスマン、ジョー・ジラードも、
セールスは、スパイゲームだ。誰かに何かを売ろうと思ったら、その人に関して役に立つと思われるあらゆる情報を収集することだ。
ジョー・ジラード,石原薫訳(2010)『私に売れないモノはない!』フォレスト出版 p.93
と言っています。
「でも、就活はセールスじゃないでしょ?」
と思われるかもしれませんが、それは大きな勘違いです。
就活は立派なセールスです。
なぜ企業はあなたに給料を支払うのでしょうか。
- 人格ができているから?
- 優秀だから?
違います。
会社が儲けるのに役に立つから
です。
あなたが労働力という商品を提供する代わりに、会社は生涯賃金2億円をあなたに支払うわけです。あなたは2億円の商品のセールスをしているのです。
さて、話を戻すと、あなたが就活で消耗しないためには、人事の狙いに関する、ありとあらゆる情報を集めなくてはいけません。
まさにスパイ活動です。
2.どうやって人事の作戦を調べるのか?
では、どうやって、人事の狙いを調べれば良いのか?
答えは、
「人事部採用担当者向けに書かれた本」
です。
私の経験上、就活で最も使える情報源はこれです。
あなたは驚くかもしれませんが、就活の面接官はプロではありません。みんなリクルート系のセミナーに出席して、
「新卒採用のやり方」
を学んでいるのです。
面接会場では神のような態度であなたを面接していますが、実際のところ、そんなに大したことないのです。
リクルートキャリアの細井智彦氏が、
「けっきょく、面接では応募者のすべてがわかるわけではないんだよなぁ。この人ならいけると思っても採用ミスだったり、逆に、評価の微妙な人が活躍したりしているし…」と漏らしました。
するとその場にいた全員が、「そうそう。うちも同じですよ」「うちではこんなケースがあって…」と、採用ミスの暴露合戦が始まったのです。
細井智彦(2013)『「使える人材」を見抜く 採用面接 』高橋書店p.179
と語るように、面接官も試行錯誤を重ねながら面接をしているのです。誰かに教えてもらいながら、新卒採用を行っているのです。
だからこそ、人事部採用担当者向けに書かれた本でしっかりと相手の作戦をスパイすれば、あなたがラクに勝つことができるわけです。
真面目な人が就活で苦労するのは、このスパイ活動をしていないからです。
真面目な学生ほど、就活生向けに書かれた本で勉強してしまいますが、就活生向けに書かれた本で準備するのはかなり危険です。
なぜなら、相手の人事部はたいてい、有名な就活本には目を通しているからです。就活生向けに書かれた本で面接にいった場合、
「あ、この子は就活本で書いてあることをそのまま言ってるな」
と弾かれるリスクがあります。
読むべきは、
「人事部採用担当者向けに書かれた本」
です。
3.人事部向けの本から、相手の作戦を丸裸にする
では、実際にどのように人事部の作戦をスパイすれば良いのでしょうか。
就活で必ず出てくる
「コミュニケーション能力」
という言葉がありますよね。
「人事部は学生のコミュニケーション能力をどのように見抜いているのか?」
も、人事部向けの本を読めば、カンタンに知ることができます。
リクルートキャリアの細井智彦氏は、
「コミュニケーション能力を見抜く質問」
について、
5W1Hを使って、その人の人とのかかわり方がわかるエピソードを聞き出しましょう。(中略)
実践例 営業サポート業務の場合(中略)
面接官「そういうお客様とスムーズにやりとりするために、心がけていることはなんですか?」
→相手に合わせたコミュニケーションがとれているかを確認。<返答Case1自分なりに工夫しているかがわかる>
応募者「信頼関係を築くために、営業からきちんとお客様に紹介してもらい、名前でやりとりする関係ができるようにしています。また、正確な情報をお伝えすることが大切ですから、曖昧なことは言わず、不明点はすぐに調べてご連絡するようにしていました。」
→こう見抜ける 誰に、どのようにかかわっているかわかる。そこから、自社で必要な能力があるか判断できる。さらに続け、その工夫を始めた「きっかけ」も聞くべき。
<返答Case2具体的な行動が見えない>
応募者「留守を預かる立場として、営業が何を求めているかをきちんと理解するよう、努めてまいりました。また、会社の代表である自覚を持ち、相手に喜んでいただける対応を心がけてきました。」
→こう見抜ける 答えが抽象的で、意識してきたことしかわからない。「営業が求めるものを理解する」「相手に喜んでいただく」ためにどうしたのか、具体的な行動を問う必要がある。
細井智彦(2013)『「使える人材」を見抜く 採用面接 』高橋書店 pp.116-118
と述べています。
つまり、人事が学生のコミュニケーション能力を見抜く際、
- 他の人との関わり方が分かるエピソードを聞き出す
- そのエピソードのWHOとHOWについて深掘りする
- 具体的な行動が見えたり、自分なりに工夫していることが分かれば、コミュニケーション能力がある、と判断する
ということが分かりますよね。
ということは、あなたは面接前に、コミュニケーション能力を見抜くための質問の準備として、
- 他の人との関わり方が分かるエピソードを用意しておく
- そのエピソードはWHOとHOWを具体的に説明できるようにしておく
- そのエピソードに関して、自分なりの工夫があったことを説明できるようにしておく
ということが必要ということですよね。
相手の作戦を知れば、あなたが取るべき対策も自然と決まってきます。
でくのぼう
「実績も何もない…」というあなたが、最短で上場企業の内定を取るためのメール講座