ESで書くネタが一個もないときに考えるべき、たった一つの重要なポイント

「実績も資格もないから、ESに何を書けば良いか分からない…」
「長所なんてない。強みなんてない。」

と悩んでいるあなたに、強く伝えたいのは、

「人事が聞きたいのは、あなたの人柄。実績ではない。」

ということです。

1.人事が聞きたいのは、あなたの人柄。実績ではない。

重要なことを言います。

人事や社会人は学生の実績を重視していません。

リクルートグループで20年以上、雇用の現場に携わっていた、雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏は、著書の中で、

面接で企業が見ているポイントは、以下のたった2つです。

  • 自社の仕事がきちんとできるか
  • 自社の仲間とうまくやれるか

とすれば、あなたがやるべきことは、その判断材料を示すことです。

そのためには、あなたがどんな人かよくわかるエピソードが重要。アルバイトやサークルの話が、その材料となっているならいいのです。

そして、企業が「そういう人は、うちの仕事、うちの仲間に合っている」と判断すれば内定となります。

逆に、他の学生とまったく変わらない話で、あなたの良さがわからない場合は落ちます。バイトやサークルの話って、たいていがそんな感じだからダメなんですね。

海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社 P.76

と言っています。

つまり、

  • ビジネスコンテスト準優勝
  • 学内サークル大会優勝
  • TOEIC800点取得

といった「実績」は企業の人事は求めていないのです。

「俺には就活でアピールするできる実績も資格もない…」

という、あなたの悩みはまったくのムダです。

 

・・・と、偉そうに言ってみましたが、実は私は就活の時にかなり大きな失敗をしました。

 

どんな失敗をしたかというと、

「無理やり実績を作って、ESに書いた」

のです。

当時、私は大学時代にやっていた塾講師のアルバイト経験をESに書いていました。

「私は塾講師のアルバイトで指導した生徒を〇〇名志望校合格に導きました。問題は〜にあると考え、その問題を解決するために・・・」

みたいなESを書いて、企業に提出していました。面接を受けていました。

結論からいうと、面接官ウケは「最悪」でした。

今思えば、その理由もよく分かります。

私は、人事が望んでもいない「実績」をゴリ押ししていたのです。人事が聞きたかった「人柄」をアピールできていなかったのです。

よく営業の世界では「相手の立場になって考えろ」と言われますよね。これを就活に置き換えてみると、

「人事部の立場になって考えてみる」

です。

当時の私は、人事部の立場に立てていなかったのです。

2.製品に差がないとき、どうやって売れば良いのか?

私は、去年まで化学メーカーで「汎用品の営業」をやっていました。要は「どこで買っても一緒の商品」です。

就活も同じです。

ぶっちゃけ、私を含めた凡人には、他と比べて大した差はありません。スペックで言えば、「汎用品」です。

汎用品を売るためにはどうすれば良いか?

それは、

「面接官にとって役に立つと思われるあらゆる情報を収集すること」

です。

1日最高18台、1966年から1978年の引退に至るまで、12年連続でギネスブックの「世界No.1セールスマン」に認定されたシボレーのセールスマン、ジョー・ジラードは、

セールスは、スパイゲームだ。誰かに何かを売ろうと思ったら、その人に関して役に立つと思われるあらゆる情報を収集することだ。

ジョー・ジラード,石原薫訳(2010)『私に売れないモノはない!』フォレスト出版P.93

と言っています。

就活でいえば、顧客は「企業」「面接官」「人事部」です。そして、人事部が求めていることは、海老原嗣生氏が、

面接で企業が見ているポイントは、以下のたった2つです。

  • 自社の仕事がきちんとできるか
  • 自社の仲間とうまくやれるか

とすれば、あなたがやるべきことは、その判断材料を示すことです。

海老原嗣生(2015)『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか?』東洋経済新報社 P.76

と言っているように、人事部は

  • 自社の仕事がきちんとできるか
  • 自社の仲間とうまくやれるか

を判断するための「判断材料が欲しい」と思っているのです。

つまり、あなたは、

  • 自社の仕事がきちんとできるか
  • 自社の仲間とうまくやれるか

が判断できる材料であれば、目立った実績がなくても全く問題ありません。

3.人柄をアピールする具体例

武野光(2016)『凡人完全内定マニュアル』ポプラ社の中の「人間性自己PR」の具体例として、こんな例が紹介されていました。

『仏の〇〇(苗字)』、私はアルバイト先でこう呼ばれていました。

ビデオレンタルショップのアルバイトにおいて、どんなお客様にもできるだけ丁寧に接客をしていたため、周囲の人からこんなあだ名をつけられました。

先入観を持たずに人と接することが大事だと考えています。具体的には、お客様がどんなことを言ってきても、いったんその話を受け入れ、その上で自分の意見を言うようにしていました。

このことを意識していたからか、クレームが多い店でしたが、一度も自分宛のクレームをもらいませんでした。

相手を選ばずに人と接することができるのは自分の強みだと思っています。社会に出ても大切にして、いろんな人と関わり合いながら仕事に取り組んでいきたいです。

武野光(2016)『凡人完全内定マニュアル』ポプラ社P.69-70

「人事や面接官に判断材料を提供する」という意味では、効果的なESですよね。就活のESはこんな感じで良いんですよ。

私も就活の終盤は、

「イベントスタッフのバイトで職人にめっちゃ怒られていたけれど、めげずに頑張っていたら、気に入れらた」

という話をひたすらしていました。(この話が一番ウケがよかった。)

企業は新卒に即戦力なんて求めてません。

最近は「即戦力!」「即戦力!」と言われるようになりましたが、本当に即戦力が欲しいから、中途で採用するはずです。新卒は取らないはずです。

新卒に求めているのは、ポテンシャルのある人材です。そして、それを判断するのは実績ではありません。

「あなたの人柄」です。

「ESに書くネタなんてねえよ…」

と嘆く前に、人事部の「あなたがどんな人かよくわかるエピソードを教えて欲しい」という本音に注目して、

「あなたがどんな人かよくわかるエピソード」

を掘り起こしてみてはどうですか。

       

でくのぼう


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